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■ Report 第37回Eビジネス研究会
 

『進化を続ける Google広告ネットワーク』
〜急成長を続ける検索連動型広告の概要と活用のヒント〜

 
グーグル(株) セールス&オペレーション・ディレクター 佐藤康夫 氏

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37回目の今回は、先日アメリカでIPOすることを発表した話題の検索エンジン会社Google(以下、グーグルと表記)のセールス&オペレーションディレクター、佐藤康夫氏をお迎えしてお送りしました。
佐藤氏は、これまでグーグルの日本での実績を支えてきた実質ナンバー2であり、今回は成長を続ける検索連動型広告「アドワーズ広告」の詳しい活用方法を中心にお話いただきました。


日本のインターネット事情


インターネット白書によると、現在、日本のインターネットユーザーは、6300万人と昨年より約11%伸びています。ユーザーの男女比は50対50、利用世代については従来20〜30代の層が中心でしたが、今は10代から60代くらいまで幅広く利用されています。
また、昨年はブロードバンドが伸張したこともあり、インターネットそのものを利用する時間も、1回あたり1時間以上利用する人が70%を超え、自宅でのメディア接触率はテレビに次ぎ第二位となっています。
では、ユーザーはどんな時にインターネットを利用しているのでしょうか。これは、主に「商品やサービスの購入に関する情報収集」への利用が多く、その検索手段としてほとんどの人が検索エンジンを使っています。利用される検索エンジンとしては、Yahoo Japan が約84%、次いでグーグルが63%のシェアを占めています。
一方、インターネットでのショッピングの動向に目を移すと、オンラインショッピングの経験者は、現在20%を超えており、今後も60%以上の人が繰り返し利用したいと答えています。実際に購入した商品としては、多い順に@書籍・雑誌、A旅行関係、BCD・ビデオ、C医療品、化粧品Dアクセサリー、ファッション、E産地直送品、食料、酒、飲料となっています。
こうした状況から見ても、インターネット検索結果への連動広告というのは、嫌でも注目されることになり、非常に効果があると言えるでしょう。日経新聞によれば、検索連動型の広告市場は2004年に200億円まで成長し、日本のインターネット広告費の20%を占めるとしています。アメリカでは、検索連動型のインターネット広告のシェアが35%となり、遂にバナー広告(シェア20%)を抜きました。


アドワーズ広告の特徴と狙い


インターネットが、主に商品やサービスの購入のための情報収集に利用されていることはお分かりいただけたと思います。アドワーズ広告のコンセプトは、検索結果をユーザーが商品を購入する入口ととらえ、商品名を入力して検索してくるユーザーを待ち受けるように、連動した広告を打つことによって広告効果を高めることが狙いなのです。
アドワーズ広告の特徴は、通常の広告が代理店などが企画、制作、発表まで一貫して請け負うのに対し、クライアント自身が広告の設定まで行なう「セルフオペレーション」になっているという点です。したがって、広告設定には最短15分の時間があれば可能です。
また、通常の広告では、広告契約をすると途中で止められないことが普通ですが、アドワーズ広告では、やってみて効果が出なければそこで打ち切りも可能です。逆に、効果が出てきているので、もっと広告したいということであれば、自分で設定を変更することでバージョンアップができます。原稿の差し替えやキーワードの変更などもクライアント自身でやるので、すぐにそれが反映され時間的にも非常に有利です。
気になる課金については、初期登録コストとして500円がかかりますが、後はクリックベースでの課金となります。ですから、広告が何回表示されようが、クリックされなければお金は発生しません。価格は1クリック7円からと通常の広告に比べ圧倒的に安い金額で広告ができます。
なお、予算には管理機能があり、一日あたりの予算の上限を設定することができます。例えば、クリックされる数が分からないので、いくら予算がかかるか分からないという場合に、一日あたりの上限を設けておくこともできます。
先ほど、価格設定は1クリックあたり7円からと言いましたが、価格は、オークションによって、1クリックあたりの単価が決まります。単価の高い方から広告の掲載ポジションが決まり、その後はクリック数の高い順に掲載ポジションが入れ替わるというのもアドワーズ広告ならではの特徴です。クリックレートが良いと入札金額も少なく済み、かつ一番良いポジションが取れるのです。
これらは、利用者と広告主両者のメリットを最優先に考えた仕組みと言えるでしょう。
また、アドワーズ広告は、グーグルの検索のみならず、各検索エンジンのサイトに掲載されます。現在、サーチのパートナー会社は10社を超え、こうした仕組みが世界的に受け入れられて、急速な勢いで広告主の数は増えています。


コンテンツ系のサイトにも広がるネットワーク


グーグルアドワーズのネットワークは、検索サイトのみならず、コンテンツ系のサイトにまで広がりを見せています。現在、グーグルではAdsense(アドセンス)というプログラムを出していますが、これは、ウェブサイトを運営している人向けのプログラムで、アドワーズ広告をこれらの方のサイトに載せていくものです。
Adsenseプログラムには、コンテンツ向けと検索向けがあり、前者はアドワーズ広告を検索結果ではなくて、普通のコンテンツページに出していくというものです。現在オールアバウト・ジャパンなどがこれに参加していますが、コンテンツページの内容を解析して、キーワードレベルまで落とし込み、そのキーワードで顧客の広告をグーグルのページにマッチングさせて掲載するという仕組みです。


アドワーズ広告利用のヒント


セミナー後半では、佐藤氏からアドワーズ広告を利用する上でのヒントを教えてもらいました。ヒントのキーワードは、「キーワードの作成」「原稿」そして「リンク先」の3つです。
一般的に、多くのユーザーは、探したサイトが希望に合わなければさらに検索を繰り返していきます。また、検索するときは、必ずしも一語で検索をしてくるわけではなく、時には二語、三語でしてきます。皆さんも考えてみてください。渋谷でいいラーメン屋がないかなと思ったとき「渋谷 ラーメン屋 とんこつ」などと入力しませんか? それでもサイトの検索結果に満足しなければ、何度もキーワードを換えたり、検索エンジンを換えて絞り込むでしょう。
アドワーズ広告では、何とかこうしたことを防ぐために、キーワードの設定方法が4つあります。
@ 完全一致…大カッコでキーワードを囲むことで設定できます。これにより、ユーザーが、設定と全く同じキーワードで検索をしてきた時にしか広告は掲載されません。
A 部分一致…何もカッコ等を入れない設定です。キーワードを含むあらゆるサイトで広告が掲載できます。
B フレーズマッチ…キーワードを2語入れた場合、その順序で検索した場合しか広告が掲載されない設定です。
C 除外キーワード…特定のキーワードを含んだ時に、広告を掲載したくない場合、キーワードの前にマイナスを付けることで設定できます。
こういった設定の特徴を駆使することで、ユーザーのニーズに応える広告を
掲載することができます。

次に広告原稿作成のコツとしては、サイトの最大の売り文句を入れておくこと、製品名や商品の特徴、特典等を盛り込んでいくことがポイントです。例えば、昨年何年ぶりかに来日した元ビートルズのポールマッカートニー。あるチケット屋さんの広告主が「○○チケット ポールマッカートニー まだ間に合います来日講演」とタイトルを打ったときには、全く反応がありませんでした。しかし、それを「ポールマッカートニー来日 まだ間に合います。S席14,000」と変更したところ即日完売となったのです。
この時のユーザー心理を考えると、ポールマッカートニーが来日することで、コンサートを見にきたいと思って検索してきているわけですが、その時に、いきなり「チケット○○」というチケット屋の名前が出てきても自分には関係ないと思ってしまいます。後者のタイトルを見て下さい、欲しい情報がポンと目に飛び込んでくるので、ユーザーにとってインパクトがあります。
佐藤氏曰く、原稿作成には決してコピーライト的なコツのようなものがあるわけではなく、キチっとそのサイトが持っている特徴を出す方が効果が出るそうです。なお、広告は同商品について複数作り、同時に掲載してクリックレートの良いものだけ残していくという方法が有効だそうです。


                                           2004.7.15
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