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Eビジネスマイスターに聞く!






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■ Report 第39回Eビジネス研究会
 
『週刊アスキーの側から見た、Eビジネスのトレンドと今後』
〜EコマースからP2P、そしてBlogへの変遷〜
 
株式会社アスキー
週刊アスキー編集主幹 取締役COO
福岡俊弘 氏

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39回目の今回は、皆さんおなじみの「週刊アスキー」元編集長で、現在も同誌の編集主幹を務める(株)アスキー 取締役COOの福岡俊弘氏に、週刊アスキー創刊からの歴史、編集コンセプト、さらにEビジネスにおいて今後注目するテーマなど、メディアから見たEビジネスのトレンドと展望をお話いただきました。雑談を交えた独特のお話ぶりに、参加者の皆さんも興味津々に聞き入っている姿が印象的でした。



アスキーが注目した5大Eビジネス


週刊アスキーがこれまで注目したEビジネスのテーマは、大きく5つあります。それは、Eコマース、音楽配信、ポータル戦争、ストリーミング、P2Pです。
まず、Eコマースについては、世界初のオンライン取引は94年に「ネットマーケット」という会社が、スティング(STING)のCDをオンラインで売り出したのが初といわれています。それから10年後の現在、日本では97年の楽天立ち上げ、2000年にはアマゾン上陸、さらにここ2〜3年の動きとして、DELLやAppleなどによるパソコン直販のサイトも始まりました。
一方、オンライントレードもありました、週刊アスキーでは、松井証券、マネックス証券の社長にもオンラインサービスを始めた時にインタビューをしています。また、チケットや旅行のサービスとして、@ぴあ、eプラス、一休.Comなども取り上げています。
これらのほとんどがブレークしたのは、ヤフーBBを中心とした2002年のブロードバンド化以降の流れであり、ここを乗り越えた会社は今も生き残っているというのが福岡氏の見方です。ちなみに、アスキーでも「アスキーEC」というECサイトを立ち上げましたが、残念ながら起動に乗るまでには至らなかったそうです。



音楽配信とポータル戦争


音楽配信については、ソニーのビットミュージックをはじめ、様々なサイトがありますが、圧縮フォーマットがMP3かそうでないかによって、世界規模では既に勝負がついていると言えます。したがって、アスキーでも音楽配信については、あまり取り上げたことはありません。福岡氏の読みでは、おそらく、ユーザーレベルでも既に決着はついているのではないかということでした。課金体系が個別課金か定額性かということも、一方で問題としてあるのではないでしょうか。
三つ目のポータル戦争については、アスキーでも再三取り上げてきました。ヤフー、インフォシーク、エキサイト、ライコスなど検索サイトが競り合っていた時代から始まり、その後初のニッチのポータルとして楽天が、さらにそこへ殴り込みにかかったのがライブドアです。
決着については言うまでもなく、ヤフーの一人勝ちなのですが、ポータルサイトの要件として、検索機能・サイトディレクトリーはもちろん、それプラス、ディスクトップアプリ(豊富なメニュー)、EC機能、金融機能、コミュニティなどでどう付加価値をつけるかが、今後の鍵になるのではないでしょうか。
福岡氏は、ライブドアの堀江社長とのお話の中で、金融機能の部分でヤフーには弱点があり、ライブドアはそこを克服してポータル戦争の勝者になろうと目論んでいることをお聞きになったそうです。



ストリーミングは難しい


ストリーミングについては、過去アスキーのトライアルとして、秋元康氏プロデュースのインターネット連続ドラマを配信したり、インターネットラジオ、テレビなどにも取り組みました。
しかし、ストリーミングが根本的に抱える問題として、なかなかお金にしづらいというデメリットや、実際にコンテンツの制作に深くかかる必要があるため、想像以上の制作コストがかかるということで、どれも志半ばに終ってしまいました。ストリーミングの今後について福岡氏が感じることは、コンテンツではなく、一つの機能として残っていくのではないかということです。



今後注目するEビジネスと勝組みのキーワード


最後に、週刊アスキーが今後注目するビジネスについて、福岡氏にお話いただきました。まずは、何と言ってもここ最近巷でも話題になっている「ブログ」です。ライブドアやニフティーなど大手がサービスを開始したのが去年の11月頃で、現在ブログ人口は約30万とも言われています。
ブログに関しては、知識の「共有」という意図で、立場性がハッキリした非常にエレガントなコミュニティであるとの印象を福岡氏も持っており、自身も最近始められ、その楽しさにハマっているそうです。

最後にまとめとして、今後のEビジネス業界を勝ち残るためのポイントをメディアの視点で見ていくと、「シンプル」「オープン」「グット・スキャラビリティ」という3つのキーワードが福岡氏から出てきました。
「グット・スキャラビリティ」というのは、あまり聞きなれませんが、要は「身の丈にあった」という意味だそうです。つまり、自社の身の丈にあった投資をしていくためにも、既存のソースをできるだけ利用し、コンテンツよりもコンテキストの部分でどう工夫するかということ。要は仕組み作りがうまくいった企業が勝者となるということです。


                                           2004.9.30
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