Eビジネスマイスターに聞く!JANES-Way 共催セミナー ブログ メルマガ リリース スタッフ募集 サイトマップ


Eビジネスマイスターに聞く!






株式会社インプレス 日刊工業新聞社 株式会社マーケティング研究協会
 共催パートナー募集!!

 
■ Report 第47回Eビジネス研究会
 
『ソーシャル・ネットワーキング サービス「mixi」現状と今後について』
〜会員数30万人を突破、一周年を迎えて〜
 
株式会社イー・マーキュリー
代表取締役 笠原 健治 氏

当日の様子はこちらから 当日の資料(抜粋版)はこちらから
      サムネール          pdficon

47回目の今回は、日本におけるソーシャル・ネットワーキング サイト(以下、SNS)の先駆けであり、わずか1年間で40万人以上の登録ユーザーを集めた国内最大のSNS『mixi(ミクシィ)』の運営会社、株式会社イー・マーキュリー代表取締役の笠原健治氏をお迎えしました。先ず、SNSなど耳慣れない言葉のご説明ののち、笠原氏のお話とさせて頂きます。


■ソーシャル・ネットワーキングとは


そもそも、「ソーシャル・ネットワーキング」とはどのようなものなのでしょうか? まずは、その語源から辿っていきたいと思います。「ソーシャル」を直訳すると「社会」あるいは「社交的」という意味になります。また「ネットワーク」は「つながり」のことです。つまり「ソーシャル・ネットワーキング」とは、「人と人とのつながり」を意味しており、SNSは「それをウェブ上で分かりやすく見せるためのサービス」と思ってもらえれば良いでしょう。
皆さんもご存知のとおり、これまでにもコミュニティ型のウェブサイトというものは存在していました。しかし、それらは匿名性の高いバーチャルな世界でのコミュニケーションが中心であり、そこで繰り広げられる人間模様も、やはりバーチャルの域を脱しないものであったと言えます。
一方、SNSでは、参加者が実名を名乗って参加している場合が多く、リアルな人間関係ありきで友人の紹介などが行われるため、より現実社会に近い形でのコミュニケーションが行われる点が特徴です。
mixiのサイトを開いてもらえれば一目瞭然ですが、参加者はウェブサイト上に自分のプロフィールや写真、日記、友人のリスト、自分と友人との関係性などを公開しています。そうやって、参加者同士がお互いに自分を知ってもらったり、友人を紹介し合うことでコミュニケーションを図り、新たな人間関係を広げ、情報交換を行うというのがSNSの目的なのです。
現在、SNSには世界的に有名な米国のFriendster、Orkutをはじめ、日本でもmixi、GREEなど様々なサイトがあります。こうしたサイトの多くは無料で提供され、サイト内に掲載される広告や、アフィリエイト(友人に本やCDなどの商品を推薦する機能を設け、そこから上がる売上の一部を徴収する収益モデル)からの収益を主な収入源としています。
また、サービスの利用においては、誰でも自由に登録できるものと友人・知人の紹介による登録のみの「招待制」の2種類があります。日本で主流になっているSNSは、ほとんどが後者です。サービスに参加できる人は、必ず誰かしら他の参加ユーザーと接点のある人に限られ、招待状も必要になります。したがって、匿名に近い不特定多数との交流が基本となる旧来のインターネットサービスに比べ、はるかに信頼がおける仕組みとなっています。


■Friendsterから始まったSNSの歴史


SNSを提供しているウェブサイトは加速度的に増えており、いまや世界中に相当数が存在しています。では、これらのサービスがどのように広まっていったのか、その歴史を簡単に見ていくことにします。
世界初のSNSは2003年3月、米国のFriendster社が開始した「Friendster」であると言われています。招待がなくても誰もが登録可能であったことから、サービス開始わずか3ヵ月で100万のユーザーを集め、今や1300万人を超える全米最大のSNSとして、一つのメディアになっています。同サービスの成功により、以後様々な企業がこぞってSNSに参加することになりました。
日本においてSNSの火付け役となったのは、2004年1月に登場した米国の「Orkut(オーカット)」です。米Googleの社員であったオーカット氏が、個人的なプロジェクトとして始めた完全招待制のサービスで、IT関係の職に就く人を中心に瞬く間に世界中に広がりました。
2004年2月には、日本人ユーザー数も2万人を超えるなどかなりの盛り上がりを見せましたが、サービス内の対応言語が英語のみであったこともあり、Orkutは次第に終息していきました。しかし、Orkutの登場によりSNSそのものの存在が社会に認知され、あまり馴染みのない招待制という概念を定着させた、という意味では大きな功績があったといえます。
一方、日本でもOrkutからわずかに遅れた2004年2月、mixiとGREEという2つの純日本製SNSが開始されました。両サービスの基本構造は、ともにFriendsterがベースになったといわれていますが、その内容は日本人の国民性や文化などを加味し、独自のサービスが展開されています。
また、日記やコミュニティが中心のmixiに対し、友人の紹介文が中心のGREEというコンセプトが異なるSNSの登場は、Orkutに欲求不満気味だったユーザーに熱狂的に受け入れられ、瞬く間に10万人規模のユーザーを獲得したのです。
その後もmixiとGREEを追って、4月には「Echoo!」、7月には「キヌガサ」がスタートし、現在は30サイト以上に増えてSNSは一般に認知されるようになりました。


■ mixiオープンまでの経緯


サービス開始から約1年が経過したmixiですが、オープンまでには紆余曲折があったと笠原氏は言います。というわけで、今回はmixi誕生の経緯と現状を中心にお話し頂きました。
そもそもサイトオープンのきっかけとなったのは、イー・マーキュリーでプログラマーとして働くインドネシアの留学生のアイディアでした。それは当時、彼の留学生仲間の間で情報交換のツールとして流行っていたFriendsterのようなサービスを日本でも提供できないかというものです。この提案に興味を持った笠原氏は、自らもFriendsterに参加し、また当時流行っていた主なSNSを調べてみて、日本にはない新しいコンセプトだと感じたそうです。ただし継続して利用し続けるには難しさを感じ、また日本のカルチャーにより近いものをと考え、身近な人と気軽にコミュニケーションが取れる、楽しく刺激を受け合うことができる独自のサイトを立ち上げる決意をしたといいます。
当時は会社全体の問題意識が、インターネットビジネスを今後展開していく企業として、よりトラフィックの生み出せるサイトを自社で持つことが不可欠であるという方向に向いていました。そのため、Friendsterのようなサービスは、日本では馴染まない、収益に結び付かないなど社内の風当たりも強かったそうですが、笠原氏は地道にその魅力を訴え、スタッフを説得したそうです。
その後のmixiの急成長については語るまでもなく、2005年2月現在、ユーザー数40万人、一日あたりのページビューも約2400万ページビューまで順調に伸びています。また、最終ログインから3日以内というユーザーが全体の70%に達していることからも分かるように、非常にアクティブなユーザーが多いという特徴があります。


■コミュニケーションのしやすさに徹した機能設計


mixiの二大機能が、日記とコミュニティであることは、誰よりもユーザーの皆様がよくご存知だと思いますが、日記は、自分と友人がお互いの日記に対しコメントを書くことによって、コミュニケーションを取ることができます。公開についても友人、あるいは友人の友人までと制限することでプライバシーを守っています。
一方、コミュニティは、例えばサイト内で共通の趣味や属性を持つ人の集まりに参加したり、自由にアクセスすることもできます。この両者の関係がうまく織り成されることによってmixiは成長・拡大を遂げているといえます。
その他にも、自分のトップぺージで最新の友人の日記、自分の書き込んだコメント履歴、最新のコミュニティトピックなどを頭出しして表示することができる「最新情報」、自分のページに誰が来たかを表示する「足あと」、レビュー、紹介文、メッセージ、カレンダー、お気に入り、モバイルからの閲覧・書き込み…など、コミュニケーションをスムーズに行なうための機能に照準を絞った開発が行われています。


■SNSが社会に与えた価値とは


最後に、これまでmixiをはじめとするSNSが社会に与えた影響や価値について笠原氏よりお話いただきました。
まず、その一つは、情報伝達における早さとコストが圧倒的に変わったという点です。例えば、現在mixiには海外で利用する日本人ユーザーが全体の約5%を占めていますが、そういった人でも遠く離れた友人と簡単にコンタクトが取れる、最近知り合ったばかりの友人のことがすぐに分かる、というように、距離や時間に縛られないコミュニケーションが可能になります。
二つ目は、人々の趣味や価値観が多様化している時代の中で、同じ趣味・志向を持つ人とコミュニケーションを取りたいというニーズが高まりを見せていることです。その手段としても、SNSを使った主体的なコミュニケーションが社会に果たす意味は大きいのではないでしょうか。

                                           2005.2.25
                                     Copyright (c) 2007 Eビジネス研究所. All rights reserved.