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■ Report 第54回Eビジネス研究会
 

Eビジネス研究所 5周年記念スペシャル

『株式公開(IPO)を目指す起業家になるための成功術』
〜たくさんのEビジネス起業家の中にみた共通するもの〜


株式会社ネットエイジグループ
代表取締役社長 西川 潔 氏

当日の様子はこちらから 当日の資料(抜粋版)はこちらから
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2005年6月に5周年を迎えたEビジネス研究所は、これまでの感謝の意を込めて、歴代スピーカーが一堂に集う「E business Meister Conference 2005」を開催させていただきました。メインスピーカーにはネットエイジグループの代表取締役社長 西川潔氏をお迎えし、どのようにすれば株式公開(IPO)ができるのか。また、それを目指すための起業、経営とはどういうステップを歩むべきなのかということについて貴重な経験談を交えてお話をして頂きました。


インターネットビジネス業界を1日の時刻に例えると


この7、8年、IT業界は非常にドラマティックでした。その中でピークだったのが1999年と2000年。いわゆるネットバブルといわれている現象でジェットコースターのように一気に加速し、そして急降下していきました。そのような時期はありましたが、2003年夏頃からいろんな意味でまた復活してきました。しかし依然としてインターネットビジネス業界は、1日の時刻に例えるならば、午前7:30頃なのではないでしょうか。まだまだ陽が昇っていく最中で、ますます発展していくということは間違いありません。


アフィリエイトやSEOなどEビジネスがこれだけ揃ってきたのは、資本市場のおかげという所があります。そんな中でIPOする人も少しづつではありますが増えてきました。IPOというと、縁のない話のような感じを受けるかもしれませんが、最近では身近な人がIPOしている状況も珍しくありません。決してIPOというのは、縁遠い話ではなくなってきています。今までの日本人の典型的なキャリアパスが崩壊しつつあり、逆に自分で自分の人生を切り開こうという人には非常に面白い時代になってきたと思います。その究極が起業家のキャリアだと思います。


起業家魂で一番大事なのは、自分自身のアイディアで世の中に変化を起こし、革命を起こし、良かれと思う方向に変えていきたい。そういう意思の革命の資質が必要だと思っています。逆にいえば、お金儲けだけで起業するというのは、周りがついてきません。意義があることに賛同して仲間というのは増えていきますので、共感の輪を形成していくことが大事だと考えています。その一方でエゴの領域で起業する人も多いようです。人に使われたくない、自分の人生は自分で舵取りしたい、またはビックになりたいというストレートなエゴのようなギラギラとした欲求で行動することもいいと思います。逆にこのような欲求が少ない人は起業家に向いていないと思います。起業家になるには、自分の貯蓄を少しばかり貯めても大したことはできません。ですから、他人様のお金を預かる、つまり投資を受けるというフェーズが必ずおきます。そのときには、他人様から預かったお金を何倍にもして返すというお金に対する執着は必要になってきます。起業家のエゴというのは、時に強烈に持つべきだと思います。


2種類の起業家


起業家には、大きく分けて2種類あります。
会社を成長させようとIPOを視野に入れてさらに伸ばしていこうと思う起業家と、それほど成長はいらなくて、極論自分の家族周辺だけ満足していればよいと思う起業家(ライフスタイルベンチャー)です。
どちらが正しいということではありませんが、ただ私が目指して欲しいのは、成長志向の起業家です。というのは、世の中は成長志向の起業家を欲しているからです。そのような人が世の中を変換させ発展させていることは、事実です。


しかし、起業のチャンスはあるのか?という疑問も拭い切れません。インターネットビジネスの世界になると、もうアイディアが既に出尽くしたのではないか?と思われるかもしれませんが、実はそんな事は全然ありません。資本主義を形成して以来、100年以上経ちますが起業チャンスがなかったことはありません。それが見えたか見えなかったかということが、起業家になれるかなれないかという差です。


起業する際は、当初一人では限界がありますので、やはり同士を集める作業から始まります。そして開業準備に取り掛かるという順序です。最初は一人で5役6役をこなす事になりますので、非常に忙しいです。そう簡単にはいかないのですが、とにかく自分を信じて運を信じてやっていくしかないのです。やはり強くやり遂げるぞと決意してやっていれば、必ずいつかは幸運がありますので、それを活かしながら成功させていくというのが、起業の醍醐味です。そこで、なんらかの保障がないと踏み出せないという方は、起業家になれないと思います。


起業家層の変貌


ここ5年で日本の起業家層が変わってきています。昔はドロップアウト型の起業家が多かったのですが、最近はエリートビジネスマンが一転起業したり学生起業家上がりなど、昔に比べれば技術者も起業家意識が高まってきたのではないかと思います。起業家層が多様化してきました。昔の起業の常識は、まずは、借金をして、そこからスタートというものでした。最近の新しい起業は、借金は極力せずに株式を発行し、株と交換に出資していただく方法が多く非常に敷居が低いです。しかし、起業するハードルが低くなったものの、創業資金集めに関しては最も難関ではないかと思っています。


王道は、親や友人から借りる形ですが、インキュベータという存在もあります。インキュベータは、紙のプランの段階から関わって出資する事が役目であり、ベンチャーキャピタルラウンドに入る前の増資や設立出資なども行います。インキュベータが成り立つようになったのも、IPOビックバンがあったからと言えます。毎年150〜200社ほどIPOしており、公開予備軍は10,000社とも言われています。その競争率は70〜80倍の狭き門となっています。


しかしながら、マクロ的に見ると、日本経済は、現在お金が余っています。金利が低いというのも資金のニーズがないからであり、リターンを求めて膨大なお金が彷徨っています。その数%がベンチャーキャピタルを通じて起業経済に流れてくるわけですが、残念ながらアメリカに比べると非常に少ない状況です。大体アメリカでは2兆円ぐらいベンチャー投資が行われ、日本では2,000億円が投資されています。アメリカと日本は、GDPの比率が大体2:1にも関わらず、ベンチャーマネーは10:1です。このような状況の中で、投資を受けるには、魅力的なビジネスプランは、さることながらIPOするんだという強い意志、成長型の業績、独自性・オリジナリティ、初物と条件を挙げればキリがありませんが、いかに構想を広げるかも大事なポイントになってきます。投資家は、小さいことに興味はなく大きな構想に魅力を感じるのです。大きな構想を持って羽ばたくことは、良いことだが、忘れてならないのは、「IPOすることは、通過点であって、ゴールではない。」と西川氏は言います。


                                            2005.7.8
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