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■ Report
  
第72回「Eビジネス研究会」                         平成18年5月12日(金) 
   
テ   ー  マ:        『クチコミマーケティング成功の秘訣』
〜CGM時代が生んだ新たなマーケティングツール「ブログ」〜
   
Eビジネス:
マイスター
株式会社サイバーエージェント
執行役員 アメーバ事業本部 本部長 渡辺 健太郎 氏
    
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72回目の今回は、株式会社サイバーエージェント 執行役員 アメーバ事業本部長の渡辺健太郎氏をお迎えして、ブログの特徴を改めて分析するとともに、ブログを使った新しいマーケティング手法「クチコミマーケティング」についてお話いただきました。


■加速するブログの影響度
 
ここ数年で、インターネットを取り巻く環境はめまぐるしく変化してきています。とりわけ、ブログのように個人が情報発信できるツールが急速に普及したことによって、「コンテンツの提供」という意味において、マスメディアだけの時代は終わりを告げました。


ブログは、今やインターネットの世界において一般的な存在となり、日常的に身近な人がブログを書くようになっています。2007年には、ブログ閲覧者数が3,500万人に達すると予想されており、インターネットを利用しているほとんどの人がブログを見ているという統計になります。

 
ブログの普及によって、インターネットの情報を取得するユーザーの導線にも変化が表れてきています。これまでは、ポータルサイトからインターネットに入って情報を探す手法がメインで、プラスアルファとして電子メールから情報が流れてきて、ダイレクトに目的サイトに飛んでいく手法が多かったと思います。


しかし、ブログや比較サイトの急速な普及によって、今ではこれらのサイトが検索上位にランキングされることも多くなってきました。そのため、第三者が書いている商品比較や口コミ情報をいったん経由してから商品のサイトに移動するという流れが急速に進んでいます。これは、今までになかったユーザーの大きな行動変化であると渡辺氏はいいます。

 
また、インターネットを通じてユーザーが取得する情報の種類も、大きく変わってきています。これまでは企業からの情報発信、いわば「プッシュ型」の情報を受けていたものが、ブログのような第三者の情報があふれることによって、そうした情報を受け取ったユーザーが、各々その感想を書き始めるという動きが出てきています。
すなわち、第三者の口コミ評価を参考にするユーザーが非常に増えているのです。


■プロモーションにおけるブログの活用


では、上記のようなユーザーの行動変化に対して、企業はどのようなマーケティングを行えばよいのでしょうか。ブログを活用したプロモーション戦略について、渡辺氏にお話していただきました。


企業は、ネットメディアしかもインタラクティブなメディアをプラスアルファで運営していかなければ、なかなか世の中に響くプロモーションが難しい時代に入りました。
ユーザーから見たとき、これまでの広告や宣伝は、一方的に「見る」だけの受け身のプロモーションでした。それに対し、ブログを使ったプロモーションは、ユーザー自らがそのキャンペーンに参加するような「参加型のプロモーション」である点が特徴だと渡辺氏はいいます。
 

インターネットの世界において、ブログとそれ以外の情報発信では、性格がかなり異なっています。例えば、メルマガなどは、情報の発信側がある程度導線を作って、その情報を知ってもらうという流れでした。それに対しブログの場合は、ユーザー自身が導線を広げていく情報発信なのです。
 

例えば、ユーザーがある商品を使用した体験談などを交えて、商品の良さを紹介していくことで、疑似体験的な商品理解や強い口コミ効果が生まれます。サイバーエージェントでは、このようなブログのプロモーションの特徴を、既存の「プッシュ型」に対して、「プル型のユーザー共感型イメージ戦略」と呼んでいます。


つまり、ユーザーにあたかも商品を手にとって使ったかのような「疑似体験」をさせることによって、より共感を得るプロモーションが可能になるのです。


■トラックバックを活用したコミュニケーションの拡大  


ここ1、2年で増えている、ブログを活用したプロモーション戦略が、トラックバック機能を使ってユーザーコミュニケーションを拡大していく手法です。


これは、ユーザーから商品やサービスにまつわるエピソードなどを募集して、口コミ効果をねらうものです。例えば映画なら、そのストーリーにまつわるエピソードや感想を募集することで一般公開前の口コミを広げたり、また新商品のサンプリングにも非常に有効で、発売前の商品の使用感をブログに書いてもらうキャンペーンなどもよく行われています。


発売前の商品のネーミング募集にブログを使って、認知度を上げていくとか、開発者が開発のストーリーや裏話などをブログに書くことによって、口コミを広げていくようなパターンもあります。
 

これまで、こうした情報発信に関しては、著名人やメディアに対して影響力のある人達だけが発言力を持っていました。しかし、ブログの誕生によって、一般の人でも影響力のある情報を発信できるようになったことで、情報源は多様化し、もはやマスメディアだけの時代は終わったといえます。  


渡辺氏は、これまで数々のブログを見てきた中で、多くの人に共感を得るブログを作るために必要なものは何か、ということについて常々考えてきたそうです。
その答えは、「等身大の姿でユーザーに語りかけること」だといいます。変に背伸びをしてみたり、無理をしても読者にそれが伝わってしまうので、やはり等身大の自分を見せることで、はじめて読者の共感が得られるのです。そうでないと、情報の伝播量も拡大しないといいます。
 

また、ブログの人気が出るきっかけは、ブログの世界の中で影響力を持っている有名ブロガーの力が大きいため、そういった有名ブロガーに自分のブログを取り上げてもらうことが、最も波及効果が高いと渡辺氏はいいます。

 
■後発の強みを生かす  


アメーバブログの立ち上げ当時、ブログの世界では、ライブドアやココログなどが先行しており、サイバーエージェントは後発でした。それゆえ、後発の強みを活かすようなマーケティング戦略が必要だったと渡辺氏はいいます。
そこで、当時はインターネットの中にブログの世界観ができ始めた時期だったので、ブロガーの間でサイバーエージェントがブログサービスを始めたことを、とにかく話題にしていきました。

 
戦略上でポイントとなったことは、「ブログサービスにおけるインフルエンサーは誰なのか」という基本に立ち返ったことだと渡辺氏はいいます。それは、ブログの比較サイトを運営している人や、コアなブロガーなどでした。ブログの世界で影響力を持つこの人たちに、サービスを大きく取り上げてもらうことができれば、展開が広がると考えたのです。
 

具体的には、彼らが情報ソースとしてよく使うサイトを中心に、情報を流していきました。アメーバブログでは、CNETをコアにして情報をリンクして、そこから口コミの機会を作ろうと考えました。


CNETの場合は、一つ一つにブログの機能が搭載されており、そこにトラックバックが打てるようになっています。結果として、サービス開始時には大々的に取り扱ってもらうことができ、一挙に認知度が上がりました。渡辺氏は当時を振り返り、CNET一本に絞ったことが成功につながったと分析しています。


■ブログ活用の効果  


最後に、ブログをマーケティングに活用していく上でポイントとなる「コンセプトのあり方」について、お話していただきました。


大前提となるのは、「ブログの世界の中で、いま何が起きているのかを知る」ということです。
バーチャルマーケティングを行う上では、やはりそれに向いている商品とそうでない商品があります。それを知るには、実際にブログで商品の評判がどのように書かれているかを認識することが重要です。


また、アメーバブログの中には様々なサービスがあります。
例えば、直近24時間の間にブログの中で最も話題となったワードをランキングしていく「クチコミ評判検索」サービスは、広告主にも大変好評だそうです。
「ブログの口コミサービス」では、あるキーワードに対して、それに関連して、今どのようなことが話題になっているかを時系列ごとに表示できます。 


広告効果を実際に目で確かめることはなかなか難しいのですが、こうしたツールを活用することによって、例えば、ある商品の広告効果を検証するときに、検証するキーワードを設定しておいて、キャンペーン前と後ではどれくらいブログの中で取り上げられる機会が増えて来たのかを比較することができます。それに時間軸を重ね合わせれば、より正確なデータが把握できるのです。





● 質疑応答


Q1 トラックバックがたくさん集まることによって、口コミの効果が高まるというお話がありましたが、例えば、著名人でもない一般の個人が書いたブログを見ている人がどれ位いるのか、という点は疑問が残ります。それを知る術というのは何かあるのでしょうか?

A1 アメブロの例では、著名人の方々のブログの場合、一日に約5万人から10万人の人が見ています。それに対して一般の方のブログの場合は、毎日内容を更新している人で、平均して50人から60人が毎回見ていると思われます。週に2、3回書いている人の場合は、おそらく20〜30人の人が見ていると思います。


Q2 例えば、今日のお話の中でブログの内容には、ネガティブ、ポジティブの両者があって、それを判断するということでしたが、例えば映画の内容の場合、文章で書くと長くなると思います。全体の中で、その映画がポジティブだったのかネガティブだったのかを、どのように判断しているのでしょうか?

A2 精度として100%ではありませんが、ジャンルによって「ポジティブワード」「ネガティブワード」という区分けがある程度判別できる仕組みがあります。文章の中身を読んでキーワードを生成して、ある程度チューニングしていくということです。しかし、ジャンルによっては判断が難しいものもあります。


Q3 アメーバブログを立ち上げる時に、ブログはこれからビジネスチャンスがやって来ると、RSS配信の広告の部分も鑑みてはじめられたと思いますが、どのくらいの期間で初期コストを回収するようなイメージだったのでしょうか? また、自社のサービスの利用促進や販促など、広告モデル以外での使い方というのはされているのでしょうか?

A3 当初は1年くらいで考えていましたが、正直な話、追加コストがかさんでいきました。しかし、結果として成功していましたので、もう少し長い期間で回収する事業に変わっていきました。
2つ目の質問は、ブログに広告を掲載する「ブログクリック」という事業がありまして、それはアメーバ経由で売上が上がっています。しかし、それ以外の使い方となると、今後の展開になってくると思います。

2006.5.12
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