Q1 |
SaaSとリアルコムのサービスを比較すると?
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A1 |
SaaSに関しては日本とアメリカでは浸透のしかたが違います。アメリカでの進行スピード、適用範囲に比較すると、日本でのそれは限定的と考えます。SaaSが一番進むのは決済系のような、「差別化の源泉」というより、「正しく間違いなく」こなすことが重要で、かつビジネスプロセスとして切り出せる分野です。我々も既にSaaSを始めていますが、今後はある特定のビジネスプロセスのアウトソーシングをも請け負う形でサービスを拡大していければ、と考えています。
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Q2 |
コミュニケーションを変革することに対して、人事評価などによるモチベーションは与えられているのですか?
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A2 |
我々はシステムの導入と同時にコンサルも行っていますが、直接人事考課に反映させるようにはしていません。成功のポイントには次のようなことがあります。
まずは間接的に組織人として称える仕組み。ランキングや表彰などです。また、組織としてこういう仕事をちゃんとやる人を大事にするというメッセージを発信することも大切です。こんな人が認められたというストーリー作り、演出も大事になってきます。個人の評価には反映させなくても、部門の業績に反映させることはしています。
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Q3 |
今回のような業務系システムでは、オーナーシップはどうなるのでしょうか?
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A3 |
管理者は三層構造になります。一番深いところにシステム管理者、次に、誰を入れるか管理するコミュニティー管理者、そしてコンテンツ管理者です。
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Q4 |
銀行の事例の場合、評価の指標となったのはどのような事ですか?
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A4 |
もちろん、効率化の指標は出すのですが、それが本質ではなく、目的はカルチャーを変えることです。権限を持った役員がバックにいないとうまく行かないと思います。
この銀行の場合、業務は十分効率化して、これ以上効率化しても株価が上がらない。それでも時価総額を上げないと買収されてしまう。そこで利益率やCSRも指標になってきて、カルチャーに投資するということになったわけです。
現場の側でも、従来のような社宅制度とか福利厚生に社員が魅力を感じなくなっており、仕事を通じて人とつながることや、この会社にいれば自己実現ができる、名誉が得られるといったことに満足するようになりました。このような価値観のシフトがエンタープライズ2.0につながっていると思います。
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